***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* ***************************************************************** * * *  募る会会報 第3号                * * * *               昭和63年 9月 日発行 * * * *    発行 名古屋骨髄献血希望者を募る会 代表 大谷貴子 * *    編集                   北大路元次郎 * * * ***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* *****************************************************************  去る1月25日、名古屋で第13回日本骨髄移植研究会が開催されました。私達ボランティア団体は、移植研究会のご好意により会場の一部をお借りし、多くの骨髄移植関係者・骨髄バンク運動関係者をお招きし、骨髄バンクに関する意見交換会「特にドナーリクルートに関して」を開催いたしました。多くの意見が出され、今後のドナーリクルートの理想的な方向を検討しました。 出席者 北 海 道 医療関係者  旭川赤十字病院 第三内科   幸田 久平  札幌医大学付属病院 第四内科 松永 卓也 ボランティア  北海道骨髄バンク推進連絡協会 山崎 裕一 東 北 医療関係者  秋田大学附属病院 小児科   渡辺 新           第三内科  新津 秀孝           第三内科  西成 民夫  東北大学付属病院 小児科   具志 一男  磐城共立病院 内科       齋 敏明         内科      大津 智子 ボランティア  東北骨髄バンク推進協議会   高内 正人  いわき骨髄バンク推進連絡協議会 陽田 秀夫 関 東   医療関係者    茨城県立こども病院 小児科  土田 昌宏  埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科 花田良二  埼玉県立がんセンター血液内科 三比 和美  東京大学医学部 輸血部    十字 猛夫  自治医科大学附属病院 輸血部 雨宮 洋一  国立ガンセンター 内科    竹山 邦彦           同     飛内 賢正  中央赤十字血液センター研究課 赤座 達也  都立駒込病院 輸血部     高本 滋  神奈川県立コドモ医療センター血液科 気賀沢寿人  聖路加国際病院 小児科    森本 克 ボランティア  埼玉骨髄バンク推進連絡会   町田 孝夫  公的骨髄バンクを望む東京の会 赤沢 幸雄                 千葉 純子  いのちと医療を考える・連絡会 橋本 明子                 戸沢 智子  全国骨髄バンク推進連絡協議会 宮戸 征美  骨髄バンクと患者を結ぶ会   乗光 秀明        山仲 善彰        宮内 英明 神奈川骨髄移植を考える会   水嶋 健 中 部 医療関係者  金沢大学附属病院 第三内科  森 孝夫 佐久総合病院 内科    関 茂樹 県西部浜松医療センター血液科 佐尾 浩  豊橋赤十字血液センター    吉本 健二  愛知県ガンセンター 内科   小椋美知則            内科   鈴木 久三            内科   山本 一仁  愛知県赤十字血液センターー研究課 水野 伸一             検査課 倉知 透           広報渉外課 伊藤 彰男  名古屋市立大附属病院 小児科 矢崎 信  名古屋大学附属病院 第一内科 森島 泰雄            第一内科 北折健次郎  国立名古屋病院        日比野 進                 木村禧代二         血液病センター 藤原 義久  名古屋第一赤十字病院 内科  赤塚 美樹 名鉄病院 第2内科      内藤 和行 ボランティア  新潟骨髄バンク推進連絡会議  金子 和子                 大崎 幸子                 滝本 純子                 関川 敬                 中野 優子                 関川 静得                 安藤 賢一  つばさの会(長野)       長崎 典子  名古屋骨髄献血希望者を募る会 大谷 貴子                 磯 和夫  東海骨髄バンク 弁護士    村瀬 昌弘  その他            松本猛之助 近 畿 医療関係者  大阪市立小児保健センター内科 迫 正広  大阪府立成人病センター 第五内科 平岡 諦  京都大学附属病院 小児科   秋山 祐一  京都府赤十字血液センター   佐治 博夫  神戸市立中央市民病院 小児科 桐山 行雄                 筒井 猛 ボランティア  三重骨髄献血希望者を募る会  庄司 正  骨髄献血の和を広げる会    藤岡八重子 中 四 国 医療関係者  鳥取大学付属病院 第2内科  大居 慎治 ボランティア  中四国骨髄バンク推進連絡会議 猶 克美 九 州 医療関係者  九州大学附属病院 第一内科  原田 実根  福岡県赤十字血液センター検査課  徳永 和夫  金沢大学名誉教授       服部 絢一 ボランティア  九州骨髄バンク推進連絡協議会 北島 久雄                 坂田 浩章 報道関係(順不同)  北海道新聞 NHKいわき NHK名古屋  テレビ愛知 CBCテレビ 名古屋テレビ  共同通信  読売新聞     また当日欠席された方で、返送葉書にご意見をお書き下さった先生方をご紹介いたします。 (地域順、同一地域内は順不同、敬称略) 今野 多助  東北大学抗酸菌研究所小児科  骨髄提供者をできるだけ増す事に継続的にPRを続ける体制を維持する事。「バンク」維持のための経済的問題の解決、特に受益者負担をどれだけにするか最初から明瞭にしていく必要があると思います。 品田 章二   新潟大学附属病院輸血部  各血液センターとの協力・協調が肝要と存じます。 森山 美昭  新潟大学附属病院第一内科  ドナーリクルートの問題は最も大切で、我々の経験からも漠然と運動してもなかなか集まりませんでした。しかし「M君の会」ができ、個人の名のもとではなんと三ヶ月位でHLA検査済みが、2600人にも及び(この数は恐らく東海骨髄バンクを凌駕)そのうちの約50%の人がバンクに移行してくれました。この経験からリクルートの最初は個人的な方法から行うのも一法と思われます。 星 順隆   慈恵医大附属病院輸血部  データー管理を日赤がする方向で進んでいるのは大変良い事と思いますが、骨髄を血液と同様に薬価をつけて提供する考え方もあり、骨髄バンクはあくまでも適合ドナーを善意の提供者として見つける仕事にとどめてほしいものです。 川島 康平   名古屋大学附属病院第一内科  「骨髄バンク」としては、ドナーの登録人員を多く募る事になりますが、それをどのように活用してゆくかに大きな問題があると思います。どんな患者にどんな優先順位で、どのような保障のもとで、実施するか、等公的になればなるほど、今まであいまいにすんだことも時には、トラブルになる可能性も大きくなります。ですから、出来る限りこうした会を持つことが必要と思います。 北田 章  大阪府赤十字血液センター  今後ドナーリクルートではボランティア団体の活動は不可欠となりましょう。 加藤俊一  東海大学医学部小児科  東海大学で行われた意識調査の結果を記載いたします。  方法:骨髄移植・骨髄バンクに関するビデオを見せる。  視聴後に非血縁者間の骨髄提供者になっても良いという人数を調べた  対象:医師・看護婦・医学生、   一般人、成分献血登録者  結果:登録率   医師・看護婦・医学生 40%   一般人       10% 成分献血登録ドナー  献血回数10回以上  60%   献血回数10回未満  色々 大谷考察:  このデータは、アメリカで行われたものとほぼ匹敵をすると思います。アメリカ骨髄バンクのパトリック・ベティがドナーリクルートメントの際に、「成分献血登録者では60%以上も同意し、患者家族では10%しかありませんが、一般の献血者でも8%も骨髄バンクに登録してくれる」と言っています。  (募る会会報第14号・東海  骨髄バンク設立一周年記念シ ンポ講演参照)  意見交換会の概要を記載します。  敬称略、発言順   大谷  ただ今より意見交換会を開催いたします。名古屋の大谷です。僭越ながら司会をつとめさせて戴きます。私達が理想とする骨髄バンクとはどんなものなのか、特にドナーリクルートに関し皆様方の活発な意見を拝聴いたしたいと存じます。開会の挨拶を呼びかけ人の一人である宮戸にお願いいたします。なお、この会の目的は何かを結論するとか、採決をとるとかいうものではありません。今後の進め方として、多くの方の意見を聞き参考とするためのものです。 宮戸  本日はお忙しいところご参集戴きまして誠にありがとうございます。政府予算として骨髄バンクの予算が付き、私達が夢にまで見た全国をネットワーク化した骨髄バンクが今年の秋までには出来る見通しが付いてきました。この時期に、各分野のかたの積極的なご意見を聞くことが必要ではないかと思い、このような会を設けさせて戴きました。私どもが呼びかけ人となり、皆様方の積極的な意見交換をしていただき、国民全体でよりよい公的骨髄バンクを作っていけたらと思っています。このような会が今後とも各地で多く開かれるようになれば幸いに存じます。この会を催すにあたり、会場を快く貸して戴きました日本骨髄移植研究会会長はじめスタッフの皆様に感謝いたします。 大谷  この会ではドナーリクルートにのみ話題を絞らさせて戴きます。はじめにドナーリクルートの重要性に付いて、服部先生に一言お願いいたします。 服部  3年前、十字先生と一緒に公的骨髄バンク設立に関して、関係大臣に要請に行ったことがあります。そして今日、私達が行ってきた方法は間違いがなかったと確信しています。昨年アメリカの世界骨髄バンクの公開討論会に出席したとき驚いたことには、アメリカのドナー募集が非常に効率よく行われています。わずか一年足らずで15万人近い人数を集めました。一昨年の10月にアメリカの赤十字血液センターを訪れたときは6万人でした。現在では20万人となり、非血縁者骨髄移植はすでに500人を越えています。今後国が骨髄バンクを行うにあたり、何でも国まかせではいけません。ボランティアが中心となって広めて行かなければいけません。 大谷  始めにお配りしました資料の一部を説明させていただきます。  「潜在的提供者の数」というのは今現在、日本の中で他人に提供しても良いという意思表示のされている方が何人いるのか、実際にHLAが判明しているのは何人いるのか、等を出来る限り調べたものです。しかし、これらのデータはいろいろな募集の仕方で集められたわけで、将来的にどの様に移管して行くかも含め、討議して行きたいと思います。そして、添付文書Uは、昨年10月アメリカ骨髄バンクのパトリック・ベティ博士が日本にいらっしゃったときに講演して戴いた内容のドナーリクルートのみを抜粋したものです。参考にして下さい。(詳細は募る会会報14号参照)  それでは厚生省の概要ですが、十字先生に一言ご感想をお願いいたします。 十字  昨年11月以来、これといった進展はなく、現在厚生省と日本赤十字社が細かいところを詰めているといったところです。 2月に専門委員会が作られ、そこで具体的なことが決定されていくことになりますので、そこでの決定を待たずに意見を言うのはやめた方がいいと思います。ただこれからは公的のものはできるだけ地域の意見を吸収して一つのものにして行かなければならないだろうと考えます。  赤十字の本社から各事務部長宛に出した通達に関しては、いろいろの意見があると思いますが、現在実際に細かいところは何も決まっていないので、グレイゾーンがあっても良いのではないかと思っています。これは個人的な見解ですが・・・。  あと第三者機関がどのような性格を持ってくるのかは、専門委員会が決定することだから、これものちに結論が出されるのであろうと思います。  もう一つ、考えなければならないのは医療体制の違いです。看護婦さんの人数も患者一人に対し1.2人のアメリカに対し日本は0.4人程度しかない。これはアメリカは高額所得者しか保険に入っていなく、日本は国民ほぼ全員が保険に入っている。そのため日本の医療費は低く抑えられている。その状態で高度の医療である骨髄移植は出来ないのが現状。いまの無菌室の現状から、バンクがしっかり出来ると提供者は見つかっても骨髄移植自体が出来なくなる事態が生じることにもなり、こちらの方が危険なことだと思う。 服部  以前で無菌治療室加算ということで一日4000点(看護婦さんの人権費も含む)が望ましいということをいった。現在ではわずか400〜500点しか認められていない。そのため、無菌室を作っても採算が取れなくなっています。厚生省にはこのことも含め検討して戴きたい。 大谷  確かに問題を突き詰めればそこまで到達しますが、まずドナーがいなければその問題も起こらないということもあります。ドナー募集に絞って誰か一言お願いいたします。各地の現在までの経験をお話し願えたら。 徳永  福岡では、年間20万人献血に協力して戴けるわけですけれど、ある時期献血者全部ではありませんがバンクに関する資料やパンフレットを配ったところ250人に一人しか登録して戴けませんでした。アメリカの8%という数字にはならなかった。このことから最初のターゲットは献血者でも良く、この方法は今後も続けて行きたいと思っていますが、それだけではどうもいけないような気がします。これは一つは血液センターが募集した訳ではなく、九州骨髄バンク推進連絡会議という名前で募集しているためで、国民の信用性が無いためだと思います。 十字  私も血液センターが集めるようになると思っています。実際にポスターをおいたり、簡単な説明をしたり・・・(メディカル・コーディネートは別にして)と予測しています。第三者機関がそれほど大きな仕事を出来るとは思えない。 磯  日赤の関与するドナーのリクルートの効果などをお聞かせ願えたら。私の解釈によれば厚生省の報告では、その辺が非常にはっきりしていないと感じています。本日ここには私達ボランティアグループもたくさん来ていて、今後も今までのような活動を続けて行かなければ行けないということは感じていますが、しかしメインの窓口は別でないといけないという気がしています。十字先生の話では、現在の日赤や厚生省との絡みで話せないこともあるかも知れませんが、その辺はどうでしょうか。 十字  厚生省と赤十字がどう分担して行くかを話し合っている段階で、ある意味では日赤も受け身となっている。まだ第三者機関の性格も決まっていないため、とにかく2月から始まる検討委員会で両者の関係を明確にして、4月以降までずれ込むのではないかと思いますが、いまはそれしか分かりません。 徳永  コメントだけ申しますが、現在では日赤では募集はしないということです。 服部  私も8月まで日赤にいましたが、現在日赤の一番の関心事は、血友病製剤作製のための血漿集めであると思います。そこでバンクもしろというと、出来ないということになりますが、私が思うに、余力のあるセンターは募集も行えば良いのではと思います。 森島  私も以前血液センターにいましたが、骨髄提供して戴ける方は献血される方と非常に共通項が多いということで、やはりお願いする上でのターゲットとしては間違いないと思います。センターに何度もお願いしていくことが大切だと思います。アメリカ骨髄バンクのパットリック・ベッティ先生も、一般献血者の方の意識が非常に高く、日本もぜひ献血車のなかで普通の献血時にも看護婦さんなどがパンフレットを渡せるようになってもらいたいと思います。 庄司  私どもが骨髄登録活動をするにあたって行ってきたことは、成分献血登録への協力ということで、成分献血は骨髄移植とはどうしても切っても切れない関係にあります。現在までに200人近いバンク登録者のうち、ほとんど全てが成分献血登録者です。また逆に骨髄献血の宣伝をする事により、一般の方にも成分献血を知ってもらっています。今後の方向性としても、血液センターに協力して成分献血をもっと広めて行こうということになりました。骨髄バンクに登録して戴いた方も普段はHLA適合血小板に協力して戴いております。このような現状がありますので、骨髄バンクの推進が成分献血の増加にも良い影響を与えていると思います。 佐治  先ほど、十字先生はグレーゾーンがあっても良いというお話でしたが、私はあってほしくない、その理由は患者さんが2年も3年も待っていることが出来ないからということです。スタートしたらできるだけ早く機能しなければならない。するとアプローチする先は血液センターの成分登録者に決まってくるからです。しかし第三者機関では血液センターのドナーリストを利用することが出来ない。そのために血液センターがドナー募集しなければならないと思います。もう一つ、意志確認をするということからコーディネートが始まるわけで、センターでコーディネートをしなければいけないと思います。 十字  募集は第三者機関が行い、登録はセンターがおこなう、最後のメディカルコーディネーションは専門医にまかす・・・この方法だと今すぐにでも出来そうな気がしているのですけれど。アメリカではバーバラ・ブッシュが子供達と話しをしてドナー募集のコマーシャルが流れた、それだけで一日に1万人の登録者があったといいます。だから受け皿が出来た後で、第三者機関がお金を出してコマーシャルを作り、登録される方は血液センター、という形でも出来ないことはない。これしか方法がないということはないのではないかと思います。募集とかリクルートに関してはグレーゾーンにしておいて、あとは運用の仕方で何とでもなると思うのですが。 磯  現在、各地で集めた何人かのデータをそのまま受けとって戴けるかどうか、そのへんで意見があれば。 十字  ドナーになるための条件、たとえば年齢とかどういう状態であるかとかそのようなことが一致するかどうかということ。また本人の意志をもう一度確認することが必要だと思う。それらの条件を満たしていれば移管できるのではないかと思う。これは私見ですが。 村瀬  弁護士の立場から意見を述べさせて戴きますと、どの様な情報で同意したのか、つまりインフォームドコンセントと、最終同意つまり本人の意志確認が一番重要視されなければならないということで意見が一致しています。同意は法律的には個人の了解さえあれば良いことになっていますが、実際では家族の同意も重要な問題だと思います。 山崎  北海道でもようやく血液センターの協力が得られるようになりました。現在150人の意思表示があり、いまも毎日2〜3人増えています。保健所の協力も得られ、HLAはDRまで一挙に検査する方法で行っています。北海道は広いので、検査機関まで来るのは大変なので、イギリスのアンソニーノーランと同じ方法で検討中です。 関川  新潟では、患者さんの助ける会と協力して、骨髄バンクにも登録して良いという方も同時に行っています。今後は血液センターの協力が得られているので、データを血液センターに集めれるようにしたいと思っています。 大谷  次に実際に移植に携わっている先生方はどの様に思っていらっしゃるのか? 意見がありましたらお願いいたします。 藤原  今までの皆さんの意見を聞いていまして、ドナーリクルートとインフォームドコンセントは一種の自己矛盾になるようです。インフォームドコンセントを強くやりすぎてしまうと提供者が集まらない。かといって何にも情報を出さないのもいけない。 乱暴な言い方をすればリクルートはラフに集めてしまう、という考え方もあると思います。始めからインフォームドコンセントをしてしまうと、登録総数は減ってしまう。ドナーリクルートとインフォームドコンセントは分けて考えてもいいような感じもします。 佐治  イギリスのアンソニーノーランは、17万人集めましたが、インフォームドコンセントが充分に行われていなかったために、実際に提供してくれる方は非常に少ないようです、それに比べアメリカでは非常に効率よく提供してくれる。  やはり何らかの情報提供は必要と思われます。 高内  患者家族の助ける会が多く作られているようですが、やはり今後ドナー募集をするにあたり、何らかの募集基準を作った方がよいと思います。呼びかけに対する基準、最低これだけは訴えるのに必要であるという基準を作った方がよいと思います。  成分献血者に対する呼びかけに対して、仙台で300人にアンケート調査を行った結果、一般人と成分献血者では大して差がありませんでした。そして一番の躊躇する原因はやはり補償の問題で、今後充分の情報提供をしていくことが多くの提供者を集めていく初期の段階で大事なことではないかと思います。  もう一つ、患者を救う会が集めると、半年で3000人以上が集まってしまう。やはり何らかの具体的な目標があると、募集効果が高い。これには患者が自分のプライバシーを放棄しなければならないとか、告知の問題が絡んで来るが、今後も実際に募集する段階で考えなければならない。 藤岡  もと患者の立場として先生方に質問があります。  どうして患者に告知しないのかということ。それに私は子供に告知し、一緒になって骨髄バンク運動を行ってきた経験からして、骨髄献血登録を呼びかけることと同時に、成分献血にも協力することを訴えることができ、非常によかったと思います。また医療関係者も患者もしくは患者家族に献血に協力することを呼びかけてもらいたいと思います。 原田  告知問題に関しては、最近変わってきていると思います。私の経験では患者さんによっては告知しています。また告知しない患者もほとんどの人が薄々感じているように思います。最近では骨髄移植の患者はできるだけ告知していく様にしています。 大谷  患者さんの告知をドナーリクルートに利用していくことについてはどのように感じていらっしゃいますか? 原田  福岡で骨髄バンク運動が始まってからまだ日が浅いため、始めの内は余りそういう意識で告知したことはありませんが、最近では提供者が見つからないとき、そういう話題に自然となります。その場合には、骨髄バンクに関するパンフレットを渡していますが、そのあとその方がそのパンフレットを見てどうしているかは把握していません。 大谷  血液センターの今後の協力が大切と思われますが、もう一つ大事なことはマスコミだと思います。マスコミの方で一言お願いできたら。 加藤  今後は助かった方も、助けたかたも全面に出ていただいて、アピールすることがドナーを増やすことに必要だと思います。プライバシーの問題もあると思いますが、患者、提供者を特定しない形で、全面に出して戴くことを希望します。 千田  やはり誰かをイメージできるときにマスコミでの反応は大きいようです。しかしそれだけではダメなのは、マスコミを利用して患者家族が募集したが、最後の段階で同意が得られなかったケースもあると聞きますので、ある特定患者のみではなく、もう少し広い意味でのキャンペーンが行えないものかと自分なりに考えています。 山崎  十字先生に質問がありますが、第3者機関が非常に大きなものになりすぎて、国や日赤の関与が薄くなってしまうのではないかという不安がありますが・・ 十字  第3者機関を作った理由が、何か提供者にトラブルが起こった場合に国や赤十字血液センターが直接責任をとることが出来ないために作った訳で、それ以外にパンフレットを作ったり、募金活動をしたりという程度で、そのような心配はないのではないかと思います。 陽田  ドナーリクルートをするにあたって、私達は骨髄バンクや骨髄移植を地道にピーアールを行ってきましたが、こういう方法は公的骨髄バンクが出来ても決して忘れてはいけない問題で、今後とも必要になってくるものと思います。告知問題では、私の経験からしても患者に告知して一緒に活動しています。これには家族の絶対的な協力が必要になってきます。 佐治  募集にあたり、あまり最初からきちきちしてしまわずに、募集しても良いのではと思います。 大谷  多くのご意見が出ましたが、今後、皆様も今日の意見を参考にして検討して下さい。本日はこれにて終了しますが、今後ともこのような機会を持ちたいと思います。またの機会がありましたら、ぜひご協力下さい。お忙しいところありがとうございました。  骨髄バンクデータ事業来年度 の予算案に正式に組み込まれました。(詳細は全国協議会ニュース参照)ドナー募集開始は早くて平成3年秋頃となる予定です。東海骨髄バンクとしてはドナー登録者の移管に関する意志確認を開始する予定です。  日本骨髄移植研究会で名古屋大学分院内科の山内辰也医師が、東海骨髄バンクの全体のコーディネート状況、東海骨髄バンクを通して骨髄移植を受けた患者のコーディネート状況を発表しました。一部データを抜粋し、簡単なコメントを付けてお知らせいたします。(なお表2の患者番号は、骨髄移植時期の順番とは関係ありません。)  東海骨髄バンク発足から平成3年1月までに骨髄提供希望者HLA検査済み者数1587名(現在は1706名)、登録患者数627名(現在は700名)。 その中でマッチングした結果、HLA−A,B一致275組(対総登録患者比43.9%)、HLA−DRまでの一致者51組(同8.1%)、MLCまで終了した数31組。MLCの結果骨髄移植可能となった組は17組です。そのうち8件は骨髄移植可能となり、すでに7件が骨髄採取完了しています。残りの9件のうち、現在まだコーディネート中が5件、残念ながらコーディネートの結果中断せざるを得なかった組が4件あります。コーディネート中断4件のうち、3件までは患者側の事情により、一件が提供者の都合により中断されています。  提供者側からみた一致の割合は、HLA−A,B一致者が、月平均41件。その後のコーディネートでHLA−DRを検査される方が月平均28件。残念ながら23%の方がDR以降の検査を拒否されています。  すでに骨髄提供を受けた患者さんのコーディネート状況は、表の通りです。この表の見方は、たとえば患者Cに関しては、患者登録からHLA−A,B一致者が見つかるまでに13日。HLA−A,B一致からHLA−DR一致者が見つかるまでに25日。DR一致からMLC一致するまでに62日ということです。患者3、4のHLA−A,BからHLA−DRまで0となっているのは、すでにHLAーDRまで検査済みの人が見つかったということです。  この表から、単純計算すれば登録から骨髄移植まで平均8カ月、コーディネート開始から骨髄提供までに平均4カ月になります。この数字はアメリカの登録から骨髄移植までの平均4カ月という数字には及びませんが、イギリスの登録から骨髄移植までに平均8〜9カ月という数字と匹敵するものです。この表を見て分かることは、患者登録後、HLA−A,B一致提供者は、一例を除き、3週間以内に見つかっています。しかし、DRからMLC検査までに少し時間がかかっています。またMLCまで一致した場合、ほとんど一か月以内に骨髄提供に同意していただき、速やかに骨髄提供されています。つまり、平均的にいちばん時間のかかっているところは、MLC検査の部分で、現在東海地方の限られた場所でしか検査できない事情を反映しているようです。  以上のことをまとめて、今後の反省点(改善点?)を私個人が考えてみますと、 1、提供希望者の増加  提供希望者が増加すれば、少しでも早く、多くの患者に提供者を見いだすことがでるようになります。ただし闇雲に登録者だけ増やすと、検査体制の破綻を来す結果となり得ません。 2、検査体制の充実  全国的な規模で、どこでも気軽に検査できる体制ができれば、HLA検査が速やかに行われ、提供希望者が何時でも好きなときに行くことができるようになると思います。  ただし、これをするには全国的なネットワーク化された検査体制及び連絡体制をとらなければならないでしょう。 3、検査内容の充実  たとえば最初からDR検査まで行えば、かなりの時間的節約になります。しかし、検査費用と手間をどうするかという問題もあります。さらに、成分献血とのかねあい、また最初からそこまで検査してしまうと、提供者へ充分な説明(インフォームド・コンセント)の機会が得られるか、などの問題もあるかと思います。 4、移植設備の充実  骨髄バンク運動を進めるに当たり、最終的にたどりつくところはこの問題です。現在の医療体制では、骨髄移植は今ですら限界に近いのです。骨髄バンクが出来、これからどんどん骨髄提供者が見つかっていった場合、移植設備の完備が問題となってきます。各病院に一つか二つ無菌室があり、何ヵ月もかけて準備し、看護体制等の問題を抱えていては、効率よく無菌室が使用されるはずもありません。  いちばん良いと思われる方法は、無菌病棟等で、骨髄移植を集中的に行えるような移植センターが、各地域ブロック毎につくられれば、効率的に骨髄移植が行われると思われますが・・。 しかし、この場合でも現在の保険定数の是正をしなければ、骨髄移植をすればするほど赤字になり、病院経営面からも骨髄移植が普及するはずがありません。  来る、平成3年4月1日より、赤十字血液センターの献血基準が変わります。一番大きく変わるところは、成分献血のできる体重制限の緩和で、いままで男女とも体重50キログラム以上でなければ成分献血ができなかったところが、男性45キログラム以上、女性40キログラム以上にかわり、これによって多くの方が成分献血に協力できるようになりました。これは、採血量を体重別に変えることによって健康状態に影響なく採血できるようになった訳で、私たち骨髄バンク運動を推進するものにとっても、非常に朗報となります。  いままで体重制限で成分登録に協力できずにいた方も、ぜひ成分献血(成分登録)にご協力いただき、今現在不足しがちな血漿や血小板献血に(できましたら骨髄登録にも・・・)ご協力をお願いいたします。 (現在の東海骨髄バンクの登録基準では、血小板献血出来る方は問題なく登録できます。) 編集後記 前回会報が発行されてからかなりの時間がかかってしまいました。みなさまに一つでも多くの情報をお知らせするためには、ある程度定期的に発行できれば良いのですが、本当に失礼しました。  その間、全国協議会ニュースが発行されましたが、内容が直前に発行した募る会会報とほぼ同じであったために、私個人の判断で勝手に発行を見合わせ、次回で同時に発行することとさせていただきました。あしからずご了承ください。その教訓を生かし、今後は全国協議会ニュースと重なるような内容が事前に分かっていた場合、募る会会報には掲載しないことにしました。そのため(いままでもそうでしたが、)全国協議会ニュースは、全国協議会発行日よりかなり遅れてお手元に届くと思います。その点もご了承ください。  意見交換会の中でも討議された「告知問題」について、今後とも機会ある度に取り上げていきたいと思います。これは、募る会前号会報の中にもありましたように、骨髄バンク運動を進めていく上で、患者自身が、支援者とともに頑張っていくことが大事だと私個人思うからです。患者家族にしても、患者に知られないように運動しようというのは不可能に近く、結局なにもできないままうろたえるだけの状態になってしまうからです。そのため、家族が特殊な宗教に走ったり、患者に特殊な食事療法をしたり・・・それがいけないということではなく、それが家族自身の患者に対する一種の押しつけであったりすると、患者さんにとってはかわいそうな気がします。患者に知らせず、身内がこっそりと尽くすことが美徳のように思っている方が多い現在、告知問題は簡単には片付かないと思います。(かくゆう私も家族に悪性腫瘍が発症した場合、告知できるかどうかその場になってみないと分かりません。もちろん自分の場合は告知してほしいのですが・・・)  現在の日本では、告知しないのが当たり前のように思われていますが、次第に告知賛成者も増えてきています。自分の健康状態を自分自身が知ることの何処に不条理があるのでしょうか。  現在、早期胃癌、甲状腺癌、乳癌等、多くのものが長期生存、完治するようになり、それらのものでは告知をする方向になってきました。(特に外科的処置を必要とし、処置後、外観が正常な状態とかなり異なってしまうようなものに関しては告知する傾向がある。)しかしこれでは、治るガンは告知し、治らないガンは告知しない・・・・ということになり、本当の意味での告知とは異なるような気がします。  私の知っている限りの知人で告知されている人は、どの方もすばらしい生き方をしています。全く物心もつかない幼児や、判断力のないとされている子供に告知する是非論もありますが、大人に関する限り、「告知したら自暴自棄になって人生を踏み外す」と、家族から思われて告知されていない人がいるとしたら、私はそれは寂しいことだと思います。信じあえるはずの家族からそのように思われていることを知ったら、何を頼りに生きていけば良いのでしょうか。  確かに、告知によって自分を見失う方もいらっしゃいますので、この問題は簡単にはかたずけるられなのかもしれません。 現に、現在告知を積極的に行っている医者も、たぶんほとんどの方が家族の了解を得ているのではないでしょうか?  しかし、軽率に告知をしてしまうのでは今の社会では残念ながら受け入れられない場合もあります。白血病などのガンを遺伝病であるとか、伝染病であるとかいう誤った考え方で、患者及びその家族が一生懸命生きていこうとするのを、社会が葬ってしまうケースだってあるのです。告知でもっとも問題なのは本人の問題だけではなく、その本人を支える家族、環境、および社会の問題の方が重要ではないかと思います。  「告知」といってもただ病名を知らせるだけのことではありません。告知された患者が、どの様な精神的な苦痛・葛藤をのりこえて自分の病気を受け入れていくのか。それに対して、医者、看護婦、家族、その他社会の人間がどの様にサポートし、患者が自分の病気を受け入れていくの見守っていけるのか。その過程を、医者も患者家族も理解できなければ、告知はしないほうが良いでしょう。  告知後、患者に対しては告知前より治療に対する十分な説明や同意が必要となってくるでしょう。どうしてこのような治療が必要なのか。この薬はどの様な副作用があって、どの様な効果が期待できるのか。そのほかにどの様な治療法があるのか。 だまって私のことだけ信じてくれれば良い・・という古い考えの医者が多い日本では、医者の考え方から変えていかなければならないようです。  とにかく不幸にもガンや不治の病にかかってしまった方やその家族の精神的なバックアップを社会として出来るようにならない限り、日本での告知問題は進まないでしょう。  国の責任における公的骨髄バンクも今年の秋には稼働し始めるということです。直ちに軌道に乗るとは思えませんが、みなさまの暖かいご支援が国のバンクを支えるのです。  今回の発表でも、コーディネートに約4カ月かかるということですが、その間のコーディネーターのボランティアの先生は本当にお忙しい中ありがとうございます。コーディネーターの仕事の重要性、責任の重さに本当にご苦労様と言いたいです。  東海骨髄バンクでは地方バンクのため、ドナーの好意に甘え、検査時に東海地方までご足労願っていますが(遠方の方は仙台、広島からきていただいたこともあります)、公的骨髄バンクでは、特に全国的な規模になるため、十分な連絡を取り合いながらコーディネートをスムーズに行わなければ、決して稼働しなくなることは、火を見るより明かです。そのためには、コーディネート体制を充実しなければならりません。将来的には医学、骨髄移植に関する専門の教育を受けた人が、コーディネーターとして活躍できるようになりたいものです。  東海骨髄バンクでは、骨髄移植専門医がコーディネーターをしていますが、直接利害に関係する患者(自分の患者はもちろんのこと、同じ病院の他の主治医の患者も含めて)のコーディネートは最初から一切行ってい ません。  移植専門医がコーディネートをする是非論もありますが、現在の状況では、全く知識や経験のない人がコーディネートを行うことの方が危険かと私個人は思います。公的骨髄バンクではそのようなコーディネーターの養成をも行ってもらいたいものです。  東海骨髄バンクでは、今後、国への提供者の移管作業に入ると思います。新規登録者へは、公的骨髄バンクへの登録も含めた意志確認書が同時に郵送されていくかもしれませんが、よろしくお願いいたします。(意志確認をとる方は、葉書登録を済まされたかたとなります。)