***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* ***************************************************************** * * *  募る会会報 第3号                * * * *               昭和63年 9月 日発行 * * * *    発行 名古屋骨髄献血希望者を募る会 代表 大谷貴子 * *    編集                   北大路元次郎 * * * ***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* *****************************************************************  募る会が発足してこの8月3日で、はや1年になりました。8月17日現在、会報発行千六百部数。葉書登録者数、九百人。採血済み登録者数、五百四十人を数えるまでになりました。これもひとえに皆様方の暖かいご支援、ご協力の賜と募る会スタッフ一同感謝しています。懸案であった患者登録もこの5月に開始され、患者登録者数も百人を越えたと聞いています。しかしその間に患者登録をしながら、無念にも大切な生命を失った多くの人がいることを忘れてはいけません。これらの人たちの死を無駄にしないためにも、もっと頑張らねばという決意を新たにしています。しかし、全国的な骨髄バンクとなるには、まだまだ多くの問題点を含んでおり、一つ一つ解決しつつ進んで行かなければなりません。今後も皆様方のご支援、ご協力、ご助言をお願いします。 募る会、骨髄バンク委員会では「骨髄移植 Q&A」というパンフレットを作成致しました(会報の後半に書いてあります)。これは、いままでは電話受付をした場合、既に発行した会報をすべて同封し、骨髄移植についての基礎知識をお知らせ致してきました。しかし会報の発行を重ねるにしたがい、新たな提供者の方は、全ての会報をおくっても、多くの情報を一度に吸収できなくなってきているのではないかという懸念がありました。それに当募る会の財政難(通信費等)もあって、もっと簡単な読み易いものの作成を急いでいました。完成したものは、非常に読み易く簡潔なパンフレットとなっています。今後新たな提供希望者には、このパンフレットをお送りする予定です。このパンフレットは原案は出来ていますが、印刷代がないためまだ出来上がっていません(本当は完成したパンフレットを同封したかったのですが、印刷代、発送代不足のため会報に書きました。)ご意見ご希望のある方は、当募る会に葉書、封書でお願いします。ご返事はできませんが(返信用の通信費、時間的な問題のため)、なんらかの形で、今後の活動に役立てたいと思います。ご理解、ご協力お願いします。         東海骨髄バンク設立に向け、東海骨髄バンク設立発起人会準備会が、去る7月25日に開催されました。10月の発足に向け、次第に構想が固まってきています。  来る10月21日、第3回骨髄バンク名古屋シンポジウムが国際センターで開催されます。 アメリカで骨髄バンクに携わっているMr.グラビスや骨髄移植の権威Dr.ハンセンを迎え、アメリカでの骨髄バンクの実際の講演(同時通訳を検討中)のあと、今回は骨髄バンクの問題点を皆様で話し合うために、フリートーキング制を導入し(参加自由)、骨髄提供者の積極的な意見を交換しようという試みを計画しています。実際にどうなるかはまだわかりませんが、期待していて下さい。多くの参加を希望します。さらに同シンポの時に「東海骨髄バンク設立集会」を予定しています。詳細はまだ決定していないので次回会報、もしくは葉書、封書にてお知らせします。  東海骨髄バンク発足に向け、名古屋骨髄献血希望者を募る会と骨髄バンクの関係を明らかにしたいと思います。当募る会の設立理念より、東海骨髄バンク発足の後には、募る会は発展的解散をすべきものです。しかし、いままでの歴史、東海骨髄バンクの設立にいたる過程、そしてまだ全国的に募る会の存在の少なさなど、当募る会の果たす役割はまだまだ終わってはいないと思われ、東海骨髄バンク発足の後にも、存続することになりました。しかし、その業務は次第に東海骨髄バンクに移すべく役割分担をする事になりました。  当募る会は、骨髄バンク発足の後はその「協力機関」として、東海骨髄バンクのドナー募集部門、広報部門を協力、担当します。今までは骨髄バンクと別組織の立場をとってきました。これは、患者家族とボランティアで最初発足した「募る会」が、他の患者の医学的な個人情報(患者、患者の家族の方が募る会のスタッフに自発的に話してくれるのは問題無いのですが・・・)、または採血済み提供者のHLAのデーターを知り得る立場にいてはいけないという考えからで、その考えは今も変わっていません。東海骨髄バンク発足に向け、発起人会からの要請、およびその組織構成(案)を検討の結果、ドナー募集部門、広報部門、ドナー管理部門(HLAデーター管理)、患者登録管理部門の完全独立性、情報非公開性などより、募集部門、広報部門の担当は今までの理念に反しないだろうという結論に達しました。そのための改革として、今までの募集方法の一部を以下のように変更致します。  まず、名古屋、岐阜、三重の骨髄献血希望者を募る会に提供希望者が電話した場合、今までは既に発行した会報すべてと、登録用紙(返送先が名古屋骨髄献血希望者を募る会宛)を兼ねたパンフレットをお送りしていました。今後は、今回同封致しました「骨髄移植Q&A」と、いままでの登録用紙を兼ねたパンフレットを同封しますが、そのあて先が東海骨髄バンクになっています。いままで募る会宛に返送された登録者に採血のお願いを送り、採血後に骨髄バンクに登録される形をとってきましたが、今後は骨髄バンクが直接、採血の案内を送る形になります。その結果、いままでの煩雑な手続きがかなり簡略化されます。さらに、会報発行の度に骨髄バンクから投稿を受け付けるという形で、バンク便りを掲載致します。骨髄バンクの現況、進行状況等を掲載して行きます。  募る会が発足し、一年がたちました。今年の6月からは患者登録も始まり、すでに8月2日現在百六件の登録希望者がありました。登録判定委員会で検討の結果、88件の登録をし、HLA一次検査を施行しました。32人の患者に、一人の患者につき1人から5人の、HLA|A、B一致者があり、ドナーの不適(年齢が高齢若年)から25人につきHLA二次検査を施行しています。すでに二次検査(HLA|DR検査)で一致した例が三例あり、三次検査(ML 編集後記  募る会が発足してから1年が経ちました。毎月発行すべきこの会報も、今回が9号ということで、3回、発行出来なかったことを反省しています。今後はそのようなことが無いように頑張ります・・・と、いいたいところですが、現状は次第に厳しくなってきました。会報作成の時間的な問題、および募る会の資金難も合わせ、会報を作っても印刷代、発送代もままならない状態となってきました。そこで勝手ながら今回が定期的な会報の最後ということにさせてもらいます。 今後は、何か特別なことがありましたら不定期にお知らせするという形にさせていただきます。  骨髄バンク運動は、次第に大きくなってきています。今後、定期的な連絡はさしあげませんが、当募る会とのつながりはしっかりつながっています。またいつか皆様に、定期的に会報を送れる日が必ず来ます。10月のシンポジウムで会いましょう。 C検査)を施行中です。まだ骨髄採取された人はいませんが、近い内に朗報がお伝えできると思います。  患者登録も始まり、各コーディネーターが、提供希望者に提供希望の意志確認を始めています。これからバンク委員会から、年に一回ずつ、登録継続の意志確認のお手紙を出す事になりました。最近に登録した人は一年も経たない内にお手紙が行くと思いますが、一括して行いますので、その辺はご容赦下さい。これからもご協力をお願いします。  白血病等、血液等の難病が骨髄移植で治せるのならと、骨髄バンクに関心をもって下さってありがとうございます。このパンフレットを読んで、十分ご理解をして戴いた上で、ご自分の意志で、ご自分の判断で骨髄提供をお願いいたします。 Q.骨髄移植とは何ですか? A.骨髄移植とは、白血病・ 再生不良性貧血等の血液の 難病、または一部の代謝疾 患の患者さんに、大量の抗 癌剤投与や全身放射線照射 をすることによって、癌細 胞や機能不全に陥っている 細胞を絶滅させ、健康な人 の骨髄* ( *骨髄血の中に ある、白血球・赤血球・血 小板等、血液細胞の元にな る「幹細胞」といわれてい るもの)を移植して、新し く血液細胞を増殖させ、そ れによって正常の機能を回 復させる治療です。移植を 受けた患者さんは、感染症 や拒絶反応、その他の副作 用を乗り越えて骨髄の回復 を待つのです。移植した骨 髄が生着し、体になじむに は、原則としてHLA(白 血球の型)が同じであるこ とが必要です。 Q.HLAって何? A.赤血球にABO型の血液 型があるように、白血球に もHLAという血液型があ ります。これはヒト白血球 抗原(Human Leukocyte Anti gen)の略で、大きく分けて HLA|A、B、C、DR とあり、以下のように多く の種類があります。(表略) Q.患者さんにとって骨髄移 植はどのくらい有効なので すか?また、危険性はない のですか? A.病気の種類、病気が再発 後かどうかなどの条件によ って、成功率は様々ですが、 HLA一致の兄弟姉妹(血 縁者)からの骨髄移植の場 合は、白血病で30〜60%、 再生不良性貧血では60〜80 %の成功率(5年生存率) で病気がなおり、多くの方 は社会復帰しています。成 功率は年々良くなっており、 重い血液の病気の治療法と して不可欠のものとなって います。(代謝疾患に関し ては、まだ症例数も少なく 確立はしていません。)他 人(非血縁者)の移植は、 日本ではまだほとんど行わ れていませんが、アメリカ やイギリスなどの例では、 兄弟姉妹からの移植より少 し成功率は低いようです。 しかし、患者さんの病気の 条件がよい場合は、効果も 当然良くなります。 Q.今までにどのくらい骨髄 移植は行われていますか? A.世界中で2万例以上の骨 髄移植がメリカやヨ|ロッ パを中に行われており、日 本では年間百五十例以上、 全体で千五百例以上行われ ています。(東海地方では、 千九百七十四年から行われ、 いままでに四百例以上、現 在では左記の病院で年間60 例以上行われています。)  名古屋大学第一内科小児科  第一日赤病院内科小児科  名古屋大学分院内科  名古屋第二赤十字病院内科  愛知県職員病院内科  掖済会病院内科  藤田学園保健衛生大学内科  三重大学第二内科  名古屋市立大学病院小児科  静岡こども病院小児科  国立名古屋病院内科  浜松医科大学内科 Q.どのような人が骨髄提供 者になれるのですか? A.20歳〜54歳までの健康な 方であれば、どなたでも結 構です。 Q.なぜ骨髄バンクが必要? またその役割は? A.HLAが一致する確率は、 兄弟姉妹では4人に1人で すが、兄弟数が減っている 現在ではこの確率も高いと は言えなくなっています。 そのため、半数以上の患者 さんは家族内で骨髄を提供 する人がみつからず、骨髄 移植がうけられません。他 人とHLAが一致するのは 五百〜1万人に1人とごく 低率で、患者さんにとって HLA一致提供者(ドナー) を個人的に捜すのは不可能 に近いのです。そこで、骨 髄提供して下さる意志のあ る人を募り、あらかじめバ ンクへ登録します。そして、 骨髄移植の必要な患者さん が生じたときに、患者さん と、バンクに登録してある 人のHLA型を照合し、一 致した提供者に骨髄提供に つき説明をし、骨髄移植が できるまでを調整(コーデ ィネート)する組織が骨髄 バンクです。 Q.バンクがあれば、ドナー が見つかる可能性はどのく らいありますか。 A.日本では1万人のバンク があれば、患者さんの40% に、また10万人のバンクで は約75%の患者さんにHL Aの適合した方が見つかる と計算されています。これ は、欧米とは異なり、日本 では民族のばらつきが少な いため、遺伝的にも似かよ っているからです。しかも 欧米諸国より少ない人数で も、一致したドナーの見つ かる確率は高いのです。で すから全国的な骨髄バンク が必要となってくるのです。 Q.骨髄採取はどのようにお こなうのですか? A.次のような方法です。 <1>まず、普通の手術とおなじ ように全身麻酔をかけます。 (場合によっては、硬膜外 麻酔、腰椎麻酔でも行ない ます) <2>腹ばいになって、腸骨(腰 の骨)に針を50〜百回位刺 して(皮膚には、十〜数十 カ所)、骨盤のなかの骨髄 液(血液が大部分をしめて いる)を注射器で吸引しま す。切開して骨を切るので はありません。通常五百ml 程度、患者さんの体重によ っては千ml位必要になるこ ともあります。 <3>このためあらかじめ提供者 自身の血液を2ヶ月から1 週間まえに採取、保存して おき骨髄採取後にかえしま す(自己血輸血)。 <4>骨髄採取には1〜3時間か かります。このときにはす でに、患者さんには放射線 照射などが施され、提供者 の骨髄液を待つ状態になっ ています。採取された骨髄 液は、直ちに患者さんのも とに運ばれ、患者さんの静 脈から輸血と同じ方法で移 植されるのです。  <骨髄採取のために入院し て戴くことになります。入 院期間は髄採取前後の健康 チェックも必要で、通常3 〜5日です。提供者に入院 費等の負担はありません。 Q.提供時に痛みや危険はな いのですか? A.はっきり言って、全身麻 酔による事故はどのような 場合でも一定の確率でおこ りますので、まったく危険 がないとは言えません。国 際骨髄移植登録に報告され た四千六百例程の骨髄採取 では13例の命にかかわらな い事がありました。(血圧 低下、局所感染症等。)ま た日本でも千六百例以上の 骨髄採取が行なわれており、 3例の事故が報告されてい ます全例、速やかに回復し 後遺症は残っていません。 採取後、酔からさめると腰 骨にある程度痛みがありま すが、翌日または翌々日に は軽快し、退院します。皮 膚に数十箇所の痕が残るこ ともあります。採取量は体 全体の骨髄の5%以下で、 骨髄は1ヶ月以内に再生し ますので採取による骨髄障 害の報告はありません。 Q.事故があった場合、補償 されますか? A.現在はありませんが、患 者さんを支払人、提供者を 受取人として設定する損害 保険のようなシステムを計 画しております。 Q.どんな人が骨髄献血の登 録ができますか? A.(1)20〜54才の方(16〜19 才の方は登録受付をして、 成人に達してから提供をお 願いします。) (2)健康な方(登録時に問診表 で健康状態を伺います) (3)移植を必要としている人な ら、どなたにも提供して下 さる方。個人的に、知人、 友人のみに提供したいとい う方はお断り致します。 (4)骨髄提供につき十分理解し ていただいた方。 Q.骨髄バンクに登録するに はどうしたらよいか? A.このパンフレットをよく よんでから、同封のハガキ に記入(印または署名)し、 東海骨髄バンクへ郵送して ください。(名古屋骨髄献 血希望者を募る会、三重骨 髄献血希望者を募る会、は 東海骨髄バンクのドナー募 集部門の事務代行を担当し ています。)全国的なバン クができた時には、こちら へも登録します。 Q.骨髄献血の登録をした後、 どうすればいいですか。 A.折り返し、骨髄バンクよ りHLA検査の日時、場所 についてのお知らせの手紙 をさしあげます。この時、 健康状態についての問診表 もお送りしますので、返送 してください。HLA検査 後、あなたのHLA型は東 海骨髄バンクへ登録されま す。(HLA型は原則とし て、お知らせしません。) Q. いつ骨髄の提供をする のですか。 A. 骨髄移植が必要な患者 さんのHLA型が、あなた のHLA型と一致した場合、 (HLA一次検査)まず手 紙で一致したことをお知ら せします。移植ができるに は、さらに詳しいHLA型 が同じでなければなりませ んので、バンクのコーディ ネーター(医師などの有識 者)が、電話で提供の意志 の確認と、さらに詳しいH LA検査(HLA二次検査、 30ml程の採血)のご都合を うかがいます。また、骨髄 移植や骨髄提供についても、 十分説明いたします。詳し いHLA型(HLA三次検 査まで)が合っていれば、 健康診断をしたうえで、骨 髄提供の同意(文書)をい ただくとともに、骨髄提供 の予定を打ち合わせます。   Q.骨髄バンクに登録した人 は、誰に骨髄を提供するの ですか?また、移植の結果 は提供者に知らされるので すか? A.提供を受けた患者さんは 提供者が誰であるかは、知 らされません。提供者が患 者さんに条件をつけること はできません。もちろん、 患者さんと会うことはでき ません。場合によっては、 患者さんの病名や年齢など をお知らせすることもあり ますが、その場合でも患者 さんが誰であるかは知らせ ないことになっています。 このことは、提供者や患者 さんのプライバシーや、安 全を守るために重要なこと で、骨髄バンクが間に入っ てコーディネート(調整) するのです。 Q.提供者として登録したあ とで断わることがでるか? A.移植の2週間程前から、 患者さんは抗癌剤投与や放 射線照射(移植前処置)を 受けますので、それ以前の 段階なら断わることができ ます。しかし、それ以後に 断わられると移植不可能と なり、患者さんの命が失わ れることになってしまいま す。HLAなどの詳しい検 査が進む間に、提供者に何 回も説明して同意を得ます。 ですから十分ご理解、納得 された上で、同意書に署名、 捺印して下さい。同意書に は立会人が必要です。 * 骨髄移植、骨髄採取、骨 髄バンク、あるいは患者さ んの登録等、御不明の点は 東海骨髄バンクへお問い合 わせください。 月,水,金の09時から17時まで 〒四六六 名古屋市昭和区 昭和郵便局内私書箱一一三号  東海骨髄バンク TEL(〇五二)二六三-九三九九