***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* ***************************************************************** * * *  募る会会報 第3号                * * * *               昭和63年 9月 日発行 * * * *    発行 名古屋骨髄献血希望者を募る会 代表 大谷貴子 * *    編集                   北大路元次郎 * * * ***************************************************************** *TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU_TUNORUKAIKAIHOU* *****************************************************************  名古屋骨髄献血希望者を募る会は、8月の発足以来七百人近い登録希望者と、四百四十人近い採血者となりましたが、患者登録の方は、骨髄バンク委員会の準備及び、HLA採血検査の結果が出そろわずに保留という形になっていました。この度、ドナーの採血結果がある程度出そろったために、すでに新聞報道でご承知のことと存じますが、「骨髄バンク委員会」として患者登録を始めました。(募る会としては一切関係ありませんが・・)  まだまだ小規模で、骨髄移植希望者すべてに一致したドナーが見つかるというわけにはおそらくいきませんが、大きな一歩を踏み出した事になります。詳細は当募る会では、一切わかりませんので、ここに記すことはできませんが、すでに患者さんとHLAのA、Bが一致し、骨髄バンク委員会から依頼されたコーディネーターから連絡があったという報告を募る会の会員の方から報告を受けています。 事務局から  このように患者登録が始まり、骨髄移植希望者と、骨髄献血希望者のマッチングが始まると、骨髄献血希望者に直接、骨髄バンク委員会からの接触があります。ここで皆様に、患者さんとHLAが合ったときの事について、もう一度確認しておきたいと思います。このことは、一番最初、こちらからお送り致しましたパンフレット(登録申し込み葉書)に記載してあったことです。新聞報道等で、患者さんと一致する確率は非常に少ないということでしたが、欧米の様に様々な人種が集まっている地域とは異なり、日本では人種の混合が少なく、一致する確率の多い組合せもあります。しかも将来的に日本に骨髄バンクができれば、アジア諸国からの問い合わせもあるかと思います。欧米のHLA分布と、東洋のとでは異なります。さらに欧米の日系人が非血縁者の提供者を必要とした場合、日本人の中から見つけた方がよいのです。骨髄バンクを長い目で、しかしごく身近な問題として、見守ってください。  はじめに  当「募る会」に電話もしくは葉書で登録希望を申し込んで頂いた方には、こちらから、「骨髄献血登録のお願い」という登録用紙と一体のパンフレットを送付しています。  葉書に必要事項を記載の上、返送して頂いた方は、募る会からHLA検査用採血のご案内を出しています。採血にきていただいたかたは、その結果が出次第、骨髄バンクに登録されます。(ここからは、募る会の手を離れます。)  ここで検査するHLAは、HLA|A領域、B領域のみです。これは、HLA|DR(DP、DQ)領域は、検査法に手間と時間と費用がかかり、提供希望者全てに実施する事は不可能だからです。HLAのA、Bが登録されると、患者のHLAのA、Bとのマッチングを行います。両者が一致した場合、次に詳しいHLAの検査(DR領域)を実施します。このあと、MLCという検査があります。これは患者さんの生きたリンパ球と、提供者の生きたリンパ球を混ぜ合わせ、お互いに攻撃し合うかどうかを調べる検査です。お互いのリンパ球が共存できる場合を陰性、お互いが殺し合う場合を陽性とします。(実際はもう少し複雑ですが・・・)。このDR領域とMLCの検査は同時にできますが、検査機関が異なると別々に行う場合もあります。ですから、場合によってはもう一度、ご足労願うこともあります。すべて一致した場合、健康診断を受け、骨髄採取のために入院して頂きます。  提供希望者は、これらのどの段階でも質問等することができ、どの段階でも拒否することができます。 (実際問題として、患者さんの骨髄移植前処置が始まってから拒否されるのは非常に困るのですが・・・)。              以上、概略を記載しました。実際には、もう少し細かい問題が起こってきますので、ケースバイケースで処理していくと思います。  さる5月27日、三重県 津市農協会館5会会議室にて第一回骨髄バンクシンポジウム三重が開催されました。  白川茂先生(三重大学第二内科教授)の開会の挨拶の後、小林透先生(三重大学第二内科)が白血病の治療についての講演をされ、森島泰雄先生(名古屋大学第一内科)が骨髄バンクの必要性を力説されました。大谷代表の近況報告の後、自らが慢性骨髄性白血病である患者さんが、告知に至ったいきさつ、現在の心境を切々と訴え、全国的な骨髄バンク設立に向け一緒に頑張りましょうと訴えました。              その後行われた質疑応答は以下の通りです。 @ 今後の骨髄バンクの方向 性は現時点ではどのように 考えているのか? ・ 現在すぐに、全国的な骨 髄バンクをつくることは無 理だ。しばらくは、各地に ミニバンク的なものを作っ ていき、時期がきたらそれ らをネットワークで結ぶこ とになる。それには、患者 や医者などの医療機関とは 離れた第三者的立場で、し かも医療に詳しい、全国規 模の組織である血液センタ ーがその業務を行うのが、 適当と考えている。 A 現在骨髄移植は、多くの 病気に行われているが 非 血縁者からの骨髄移植は、 どのような病気に行ってい くのか? ・ 化学療法だけでも、非常 に成績のよい病気に関して は骨髄移植そのものの適応 も問題となってくるが、原 則的には適応疾患全てに行 っていきたい。            B 三重県内での白血病の発 生率はどれくらいなのか? ・ 詳しいことははっきりと 解らないが、成人の場合、 白血病の発生率10万人に 3から4人といわれている。 小児の場合は、悪性腫瘍の 内の半分以上が白血病であ り、10万人に5から6人 といわれている。            C 痛みは、どの程度なのか ・ 採取時は、全身麻酔をか けるので、痛みはない。麻 酔がきれてから、1日2日 は少し痛みが残るが その 後はあまり痛まない。 ・(大谷代表)わたしの母は、 採取したその日の夕方には、 もうわたしの病室まで歩い て見舞いにきてくれた。翌 日退院したその日から自転 車に乗り回していた。少し 腰の当りが突っ張る感じが するといっていたが、一週 間もすれば、全くなにもな くなった。   D 骨髄採取は、何回出来  るのか?        ・ もちろん今までは家族、 親戚内での骨髄提供である が、3回採取した人が1人、 2回採取した人が3人いる。 骨髄そのものは再生臓器な ので、一回しか使えないと いうことはない。               今回は、骨髄採取における麻酔の種類について掲載します。 現在では全身麻酔が主流かと思いますが、骨髄採取そのものの麻酔に関する文献と言うのは、数が非常に少なく、この文献も1985年の文献です。この病院(名古屋第一赤十字病院)でも、現在ほとんどが全身麻酔です。(ここ数年の間に、約数十例の骨髄採取を施行し、2例のみ硬膜外麻酔だそうです。)  では、まず初めに麻酔にはどんな種類があるのでしょうか? 詳しくしりたい方は、専門家に聞いて頂くこととして、ここでは文献に出てくる麻酔方法の、利点、欠点を書きます。 脊椎麻酔   脊椎のクモ膜下腔に局所麻 酔剤を注入して脊椎の後根 と、前根を麻酔、遮断する 方法である。 利点 ・代謝の障害が少ない。  (もし重篤な血圧下降や呼吸 抑制がなければ)十分筋弛 緩が得られる。 ・気道を刺激しない。 ・産科領域では薬剤が胎児に 移行しない。(無痛分娩、 帝王切開) ・引火性がない。 欠点 ・調節性が少ない。(麻酔の 高さ、持続時間の調節があ る程度しかできない また いれすぎた量の麻酔剤は再 び取り出せない。) ・術中の血圧下降、呼吸抑制、 嘔吐の発生。 ・術後の頭痛、髄膜炎、神経 障害が起こりうる。 ・迷走神経が遮断できない。 迷走神経反射が除去できな い。      硬膜外麻酔  硬膜外腔に薬剤を注入して、 脊髄の後根と前根を遮断す る方法である。       脊椎麻酔との比較  硬膜外麻酔が脊椎麻酔より 優れる点 ・血圧の低下の程度が少ない。 ・術後の頭痛、尿閉、髄膜炎 のおそれがほとんどない。 ・呼吸の抑制が少ない ・分節的遮断が容易にできる。(不必要な部分の麻酔が避け られる。) 硬膜外麻酔が脊椎麻酔より劣る点 ・大量の局所麻酔剤が使われ る。 ・作用発現にまで時間がかか る。 ・時に体の片側しか麻酔しな い事がある。 ・一回注入法では、麻酔の高 さの調節が脊椎麻酔より難 しい。 ・筋弛緩が脊椎麻酔ほど強く ない。 吸入麻酔  麻酔剤が気体の状態で吸入され、肺胞を通じて血液中に入り、中枢神経に運ばれて麻酔作用を現す。以下のような方法がありますが、詳細は正書に譲ります。開放点滴法、吹送法 、循環式、往復式、非再呼吸法 気管内麻酔 気管内麻酔とは、気管内にチューブを挿入(これを挿管という)し、このチューブを通じて行う吸入麻酔の方法の一つ。 気管内麻酔の利点 ・軌道の確保が完全(軟部組 織、吐物、喉頭痙攣等によ る気道閉塞が起こらない) ・呼吸の管理(呼吸の補助や 調節)が容易 ・患者から離れて麻酔を行う ことできる。(顔面、頭部 等の手術時) ・死腔の減少 ・気管内吸引が容易 気管内麻酔の欠点 ・挿管時の外傷(歯や喉の外 傷が起こりうる) ・気管の刺激による咳や迷送 神経反射     静脈麻酔  麻酔剤が液体の状態で直接静脈内に注射され、中枢神経に運ばれて、麻酔作用を現す。  以上、簡単に利点、欠点をのべました。実際にどれを用いるかは、麻酔をかけられる人の健康状態等により選ばれます。何れにしろ、なにかトラブルがあった場合、すぐ、気道確保(気管内挿管)に切り替えられます。その意味では、腹臥位にて麻酔する骨髄採取は挿管しておいたほうが安全かもしれません。  では、文献を紹介致します。なお、文中ある@ABCDEは、編集者の注意書きです。 骨髄移植の麻酔法  骨髄移植は、種々の疾患や化学療法及び放射線療法による骨髄機能の抑制に関する有効な治療法であり、移植に先立ってドナーの骨髄あるいは自家骨髄を採取する必要がある。当科では 昭和55年2月から昭和59年11月までの約5年間に骨髄採取の麻酔45例を経験したので@、その概略と麻酔管理上の問題点につき検討を加え、報告する。  上記の約5年間に当科が管理した骨髄採取例45例について、性別、年齢、麻酔及び採取部位、麻酔方法、自家骨髄移植患者の疾患、ドナーの続柄、術中輸血について集計し検討を加えた。 結果 1)性別および年齢       (図1、 2) 自家骨髄採取患者は、男性 12例で、4歳から58歳まで分布し、平均37歳であった。女性は、4例で1歳から56歳まで分布し平均25歳であった。ドナーは男性9例で、19歳から46歳まで分布し、平均33歳であった。女性は20例で、8歳から49歳まで分布し、平均 23歳であった。 2)麻酔および採取時間         (表1)  麻酔時間は全身麻酔症例では挿管から抜管までの時間とし、硬膜外麻酔では穿刺操作開始から採取操作の終了までの時間とした。麻酔時間は1時間15分から3時間まで分布し、平均麻酔時間は1時間56分であった。採取時間は30分から2時間5分まで分布し、平均採取時間は1時間11分であった。 3)自家骨髄採取患者の疾患      (表2)  自家骨髄採取患者の疾患は肺腫瘍が5例(31%)と最も多く以下表2に示した疾患であった。 4)麻酔方法  麻酔方法は、硬膜外麻酔 19例(42%)と最も多く、 GOE 16例(36%)、GOF 8例(18%)、GO-NLA、GO-ケタミンが各1例づつであったA。 5)ドナーの続柄  レシピエントからみたドナーの続柄は、妹が14例(48%)と最も多く、以下、兄、姉、弟の順であり、同胞ドナーの合計が26例(90%)となった。 6)体位及び採取部位 体位と採取部位については、腹臥位での腸骨採取30例(67%)で、その中の1例は、4歳の男児で、仰臥位での腸骨採取も行った。腹臥位での腸骨採取と、仰臥位での胸骨採取の両方行った症例は、15例(33%)であったB。 7)術中輸血  術中輸血は、ドナーでは自家保存血を用いた症例が25例(86%)と大部分を占め、輸血量が多くなった場合には、解凍赤血球浮遊液、赤血球濃厚液、他家保存血を加えて用いた。自家骨髄採取例では、自家保存血を用いた症例が6例(38%)で、その中で、解凍赤血球浮遊液、赤血球濃厚液、他家保存血を加えた症例が各1例ずつであったC。 8)術中および術後合併症  術中合併症には、特記すべきものはにもなかった。術後合併症には、咽喉頭痛、発熱、関節痛、腰痛、GOTならびに GPTの軽度上昇等があった。 考察 骨髄移植は主に悪性腫瘍の化学療法や、放射線照射後にみられる骨髄抑制に対する有効な治療法の一つとして確立されつつあり、その成功率も向上してきた。それにともない骨髄採取の機会も増加してきており、麻酔科医の立場から骨髄採取の麻酔についての問題点を検討してみた。  骨髄採取の麻酔に関ては、若干の報告を見るにすぎない。骨髄移植の対象疾患となるものは、ほとんが悪性腫瘍であり、また当院での経験はないが、免疫不全状態に対してもその適応があるとされている。麻酔管理上の問題点としては、麻酔方法、術後合併症、輸血の3点をあげることができる。  麻酔方法としては、採取部位が腸骨にのみ限定されている場合は硬膜外麻酔や、脊椎麻酔も適応とされるが、骨髄採取量の点から腹臥位での腸骨穿刺の場合が多く平均1時間11分の間、同一体位で静止しているのは苦痛をともなうと思われる。そこで、必然的に全身麻酔の適応が増加する。全身麻酔の場合は、採取部位が腸骨と胸骨の両方に及んでも体位変換のみですみ、麻酔範囲は問題とならない。  しかし、腹臥位での場合は、その体位に基づく褥瘡や圧迫による眼瞼浮腫及び気管内チューブが原因と思われる咽喉頭痛が多いので体位の保持には細心の注意が必要となる。ところで、笑気の骨髄抑制作用についての報告も見られるが、それは長期連続吸入させた場合であり、短期間の使用では、問題にならないと思われる。本症例群中にも笑気が原因と思われる骨髄抑制は1例もなかったD。 骨髄採取時の合併症については、Bortin & Bucknerの報告がある。それによると、細菌感染によると思われる発熱、創部痛が最も多く、その他に静脈血栓、無気肺、喉頭痙攣、心室頻拍、高血圧等がみられたという。本症例群においては、術中には特別な処置を必要とした合併症は見られなかった。術後合併症は、咽喉頭痛、発熱、関節痛、腰痛、GOT ならびに GPTの軽度上昇などであり、ほとんどがドナーからの訴えであった。ドナーは原則として、術前一般検査で問題となる様な異常者は含まれず、健常者を対象としている。術後合併症の原因としては、気管内チューブによる体位変換時、および術中の咽喉頭部の刺激、不自然な体位、感染などが考えられる。特徴的なことは、採取部位の創部痛の訴えが少ないのに対し、咽喉頭痛の訴えが多いことである。やはり術中の気管内チューブの固定には十分注意を払う必要がある。 次に輸血については、本院では自家保存血を第一選択とし、輸血量が多い場合は、解凍赤血球浮遊液を第二選択として使用する傾向になっている。解凍赤血球浮遊液の使用頻度が高い理由としては、こ抗凝固剤を含まないこと、カリウム濃度が低いこと、抗原性を持つ白血球や、異種蛋白を含まないこと、肝炎ウィルスがほとんど除去されている事などをあげることができる。以上のような利点によりドナーの保護および保存をはかろうとしている。また、採取操作がスムーズに行われると急速にハイポボレミックな状態から低血圧をきたす可能性があるので、可及的に採取操作の開始と共に輸血を開始したほうがよいE。   臨床麻酔 1985年 9月号 編集者注 @45例   名古屋第一赤十字病院で は、ほぼ年間20例の骨髄移 植を施行しています。骨髄 採取は最近ではほとんど全 身麻酔で、2例の硬膜外麻 酔で施行したとのことです。 今後、やはり全身麻酔が主 流かと思います。 A麻酔方法   全身麻酔の方法は、麻酔 医により異なっています。 その人の合併症(高血圧、 喘息等)により使う麻酔薬 は異なってきます。ただ、 全身麻酔に用いる薬剤は、 当然採取した骨髄中にもま れるわけであり、その薬剤 の骨髄を輸血される側に対 する副作用も問題となりま す。そのために硬膜外麻酔 の方がいいという意見もあ りますが、しかし、いまま での臨床で実際 使われた 麻酔剤の副作用が問題にな ったことはありません。 B腸骨、胸骨   骨髄採取は、ほとんど腸 骨から採取します。しかし 十分の骨髄が採取されない 場合は、いままで腹臥位で 後腸骨から採取していたの を、仰臥位にして、胸骨か ら採取する場合もあります。 (特殊な場合ですが・・・) しかし普通は、腸骨からだ けでも十分の量が採取でき ます。 C赤血球種類   赤血球の種類には、解凍 赤血球(保存液、濃厚液)、 洗浄赤血球、赤血球(濃厚、 保存)の種類があります。 それぞれ、使用目的に応じ て使い分けられています。   D骨髄抑制   全身麻酔に用いられる、 笑気というガスに骨髄抑制 があるというはなしがあり ますが、1〜2時間の麻酔 ではそれほど影響はないと いわれています。(そうい うデーターがあるわけでは ないのですが)   また、筋弛緩剤を用いた とき、その薬の採取した骨 髄に対する影響も、本当は 考えなければなりません。 しかしそのことが臨床上問 題になったことはありませ ん。(そこまで詳しくはや られていません) E 低血圧   急速に骨髄を採取すると、 一種の大量出血とおなじ事 で、血圧低下が起こります。  去る、5月20日、神戸で開かれた日本輸血学会が開催され、最終日の骨髄バンクのシンポジウムでは有意義な発表、質疑応答がなされました。その後、全国骨髄バンク連絡推進協議会、名古屋骨髄献血希望者を募る会の共催により、第二回全国代表者会議が、兵庫県共済会館で行われました。いままで、シンポジウム等の席で先生がたと対談する機会はありましたが、全国の先生がたと一同に会するのは初めてのことで橋本明子・全国連絡協議会代表、大谷貴子・名古屋募る会代表、北川由美子・大阪募る会代表の司会のもと   (以下、発言順)、正岡 徹・大阪成人病センター内科部長、服部絢一・金沢赤十字血液センター所長ほか、佐治博夫先生(京都赤十字血液センター)、  柴田弘俊先生(大阪成人病センター内科)、徳永和夫先生(福岡赤十字血液センター)、甲斐俊郎先生(兵庫医大輸血部)、加藤俊一先生(東海大学小児科)、  森島泰雄先生(名古屋大学第一内科)、倉知透先生(愛知県赤十字血液センター)、田中賢一先生(京都赤十字血液センター)、甲斐稔人氏(広島募る会代表代理)、奥村和子氏(横浜連絡協議会代表)、赤沢幸雄全国連絡協議会編集長、兼松浩一先生(大阪弁護士会)らが出席され、活発に意見を述べていただきました。  この会合で、最終的な合意として、国民への広報活動を行っていくこと、また全国レベルでの統一をより一層はかっていくこと確認しました。  5月27日に、東京で、患者および患者の家族が集まって、患者家族会結成をいたしました。いままでのように患者家族それそれが、個別にドナー探しに走ることは、労力的、経済的に非常にたいへんであるし、無駄も多く、またドナーが見つかっても、コーディネートの件、謝礼の件と、問題が多くありました。そして骨髄バンク活動においても、患者家族は表だって行動が出来ずに、医療機関や、ボランティアの蔭に隠れていました。ここで、今までの不安な気持ちや焦る思いを一つにして、一日もはやい骨髄バンクの実現に努力しようという目的で、結成されたのです。  当、募る会は、あくまで非血縁者への骨髄提供者を募ることを目的にしていますので、患者家族の会と今後、どのように関わっていくかは、まだ解りません。しかし動機が多少異なりますが、同じ目的を持って努力しているものとして、暖かく見守っていきたいと思っています。  詳しいことをお知りになりたい方は、直接患者家族会 東京03(204)9284 代表 逢坂正雄 までお問い合わせ下さい。  全国骨髄バンク推進連絡協議会は,バンクの必要性、有用性を全国民に知ってもらうために、シンポジウムや署名運動を中心に進めてきましたが、名古屋骨髄バンク、および患者家族会の要請を受け、ドナー募集を開始致しました。詳しくは、 東京03(232)5339 までお尋ねください。  去る5月29日、連絡協議会代表橋本明子氏、名古屋募る会代表大谷貴子氏、名古屋の患者さん、神戸の患者家族の方6人、広島の患者さんの総勢11人で、厚生省交渉を行いました。  厚生省の見解は、相変わらずで、医学会、民間人からの突き上げ、患者さんの要望が、大事である、とのことでした。  わたし達は、これらのことに対して、現在進めている署名運動を更に一層進めていくとともに、名古屋の募る会の提供希望者を、さらに着実に増やしていく事によって、国民の意志を厚生省に伝えていく新たな決意をし、東京を後にしました。 編集後記 風薫る5月は、倉敷、三重、のシンポジウムや、輸血学会、厚生省交渉にと、大忙しの毎日でした。また患者さんにとっては、悲願であった患者登録も始まり、私自身、非血縁者の骨髄提供者を求めて、気も狂わんばかりに日本国中を駆け巡っていた頃と比べて、患者さん、患者さんの家族の方の精神的負担が少し軽減したことに、ちょと肩の荷が降りたような気がしています。しかし、登録者数600人足らずでは、患者さんの期待に充分お応えすることが出来ず、まだまだ頑張らなければと、決意を新たにしている次第です。また、ただでさえお忙しい、名古屋骨髄移植グループの先生方を初めとする、骨髄バンク委員会のボランティアの皆様の仕事がますます増え、お気の毒な気がしますが、一日でも早く、一人でも多くの患者さんの命を救ってくださるよう、心からお願い致したいと思っています。  さて私事ではなはだ恐縮ですが、昨年1月に骨髄移植を受けてから二度目の誕生日を第8号の会報発送日に迎える事が出来ました。  二十五歳で発病し、一度目の退院直後に二十六歳になりました。発病当時は、もう二十六歳になれないと思っていただけに、私より母の喜びの方が大きく、御近所に赤飯を配っていました。二十七歳の誕生日は、移植後五カ月目でした。入院中にお世話になった看護婦さん達が、パーティーをしてくださいました。子供のように、バースデーケーキの蝋燭の火を消し、ハッピィバースデーの歌を歌って下さったときには、涙がこぼれてしまいました。  今年は四月から週に一度ですが、職場復帰し、教壇に立っています。さらに、患者登録も始まり、募る会への問い合わせも多くなり、忙しすぎて誕生日の感慨にふけっている余裕がなさそうですが、こうして元気に募る会の仕事で飛び回り、生きている喜びをかみしめています。この喜びを一人でも多くの患者さんに分けてください。  皆様の暖かい心が、多くの困っている患者さんの、生きる望みとなるのです。一人一人の小さな力が、大きな国家を動かすのです。今後とも宜しくお願い致します          大谷貴子