ご 挨 拶

世話人代表 大谷貴子
 

このたび皆様方の暖かいご協力を得て、念願であった患者長期滞在支援施設である「愛知県長期滞在患者を支援する はなのきの会」を発足することが出来ました。
 思えば、私が骨髄移植を受けるために大阪から名古屋に来たのは10年前になります。私の入院と同時に家族は病院からすぐ近くのマンションを借りて、蒲団、食器、食卓から洗面用具等、生活に必要なあらゆるものを買い揃えなければなりませんでした。初めての名古屋での生活と、私の看病に付き添ってくれた母は、大変な苦労をしたことと思います。
 さて、日本骨髄バンクが発足してから既に6年が経過し、骨髄バンクを通して移植を受けた患者さんも1300人を越えました。しかし地元には骨髄移植を受けることが出来る施設がなくて、この名古屋まで移植を受けに来られる方も、非常に多くいらっしゃいます。そのような方は、私の家族が当時経験した同じ苦労を今でも繰り返しているのです。さらに骨髄移植を受けるための無菌室が足りなかったり、空きを待っている間に患者さんの状態が悪化して移植を受けられずに亡くなっていかれる方がまだ数多くいらっしゃいます。もっと他地域への患者紹介が、患者家族の経済的(精神的)負担軽減も含めてスムーズに出来れば、助かる命だったかも知れません。
 この支援施設は、そのような患者さん、患者さん家族のために、少しでも経済的な負担を軽減する事が出来ればと計画され、このたび多くの方のご協力により発足しました。同様の施設は、東京を始め、神奈川、福岡、茨城、熊本、福島に既に発足しており、埼玉では建設中ですが愛知県では初めてで唯一の施設です。骨髄移植の先進地として、多くの骨髄移植基幹病院が集まる愛知県で、このような施設を発足することが出来ましたことを非常に喜ばしく思います。
 この支援施設の運営には、多大な資金が必要です。また消耗品等、多くの物品も必要となってきます。なお一層のご支援、ご協力をお願いいたします。

平成9年12月吉日

ホーム   次   利用案内  申込概要  目次   メール